ISOのFM分野を担当する国際専門委員会は、ISO/TC267 ファシリティマネジメント(FM)です。
TCは「Technical Commitee(技術委員会)」の略称です。
TC267は2012年に19か国の同意のもと発足し、日本もメンバー国として参加しています。
TC267 の国際会議を通じてその後、用語の定義、FMソーシング戦略の2つのガイダンスが作成され、2017年に国際規格として正式に発行されました。
- ISO 41011:2017 Vocabulary:「用語集」
- ISO 41012:2017 Guidance on strategic sourcing and the development of agreements:「戦略的ソーシングと合意書策定の手引き」
2018年には、2つのガイドラインを基に認証規格としてのISO 41001が国際規格として発行されました。
- ISO 41001:2018 Facility management – Management Systems – Requirements with guidance for use:「ファシリティマネジメントーマネジメントシステムー要求事項及び利用の手引き」
ISO 41001発行後もTC267 は継続し、下記図表のように2023年1月現在でISO 41020まで展開されています。
開発中のもの
- ISO 41011 Vocabulary (revision):「用語集(修正版)」(2023年発行予定)
- ISO 41015 Influencing behaviours for improved facility outcomes and user experience:「改善結果とユーザー体験に対する行動への影響」(2023年発行予定)
- ISO/TR 41016 Technology in facility management – Scope, key concepts and benefits:「ファシリティマネジメントにおけるテクノロジーー範囲、カギとなるコンセプトと便益」(2022年発行予定)
- ISO 41017 Guidance on emergency management of epidemic prevention in the workplace:「ワークプレイスにおける感染症予防の緊急事態管理の手引き」(2023年発行予定)
- ISO/TR 41019 The role of FM in sustainability and resilience:「持続可能性及びレジリエンスにおけるFMの役割」(2023年発行予定)
- ISO 41020 Performance measurement and management for improved facility outcomes:「改善されたファシリティ成果のためのパフォーマンス測定と管理」(2024年発行予定)
発行済のもの
- ISO/TR 41013:2017 Facility management – Scope, key concepts and benefits:「ファシリティマネジメントー範囲、カギとなるコンセプトと便益」
- ISO 41014:2020 Development of a facility management strategy:「ファシリティマネジメント戦略の開発」
- ISO 41018:2022 Facility management — Development of a facility management policy :「ファシリティマネジメント方針の策定」
これらのガイダンスや技術報告書は、ISO 41001の要求条件を具体化する(どのようなやり方や技術、手段を用いて実施するか)ためのツールとして機能しています。
(参考文献:『国家規格 JIS Q 41001 ファシリティマネジメント入門ガイド』(JFMA, 2021)、「ISO TC267のホームページ」)